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四月の海。 ゆるやかな夕凪に包まれた海辺に、 心地よい陸風と時折肌寒い海風とが混じる。時間が止まったかのようなやわらかい瞬間。ここは街の雑踏もなにも届かない。 聞こえるのは、テトラポットを打つ波。 雫が落ちるように優しい水の音。 太陽は、紅く、ゆっくりと、落ちる。 遠く見つめるは海の彼方。人は落ちる夕陽に「おやすみなさい」と呟く。
作品130 「おやすみなさい」と呟いた空に より